はじめに

前回の記事では新潟港〜小樽港までの船内の様子をお届け。
今回からついに北海道に上陸。
船内の様子はというと、船内で上陸間近のアナウンスが流れる。
バイクを駐車していた場所へライダーがゾロゾロと向かって行く。
係員の指示に従い出口の方向へ向かって数列に並ぶ。
その中でタチゴケしてしまっているバイクもある。
普段慣れないバイク+重量積載しているバイク。
その点、125ccスクーターならそんな心配はなし。
いざ、船のハッチが開くとなんと…。
外は小雨降る悪天候…。
船の到着も早朝なのでまだ外は薄暗いし。
梅雨が無いと思っていた北海道も、8月は雨が多い年もあるよう。
「1年の半分ぐらいは曇りか雨か雪だよ」と札幌出身の友人が言った。
そのイメージだったのが初っ端から崩れる。
さぁ北の大地に降り立つぞ。
コロナ禍の北海道ツーリング旅行のスタート。
久々の友人との再会

(小樽駅前、長崎屋にドン・キホーテもアリ)
船を降り立ち小雨降るなか、友人に連絡をする。
早朝の訪問だけれど快く招き入れてもらった。
数年ぶりの再会。
海外を旅していた中で出会った素晴らしい友人たち。
北海道の天気は、今日から一週間天気の悪い日が続くらしい。
到着初日の今日も、太陽が差し込む時間は1日の中でもわずか。
すぐに曇りや小雨になってしまう。
友人は天気が回復するまで自宅に居てくれて良いと提案をしてくれた。
お言葉に甘えることにした。
車と違ってバイクは天候に左右されるため、こういった提案はありがたい。
快晴までとはいかずとも、曇りの天気の時に旅立つことを伝えた。
Tips 日本の色々な場所に友達ができた
その友人たちも当時バックパッカーをしていた時に海外で知り合った友人たちだ。僕は東京出身だけど海外に出ると、自分の生活圏以外の人間と出会うことになる。多くの人との出会い、経験は自分に多くの刺激を与えてくれる。その経験から、ぜひ海外を旅することをお勧めしたいです。
小さな小樽の街を観光する

(小樽祝津パノラマ展望台)
11時を過ぎた頃、ようやく小雨も止み、広い空に青空が見えるようになった。
どこまでも横に広くて長い空。
遠く長い空に雲は流れて行き、乾いた冷たい風が吹き抜けるような風が吹く。
東京では感じることが出来ない、しっとりとした風だった。
びしょびしょになったバイクのシートをウェスで拭く。
汚れも落ちてちょうど良い。
それと同時に、一瞬脳裏をかすめたのが故障のリスク。
この時、すでにバイクの走行距離は5万キロ超え。
どれだけ頑丈なスクーターでも雨天の走行が続くと故障も心配だ。
これからは毎日100Km以上走る日もあるはず。
エンジンに優しく走ろう。
すでに湿気と泥水で汚れた僕のアドレスV125のエンジンをかける。
セル一発、エンジンは快調。
荷物を置き軽くなったスクーターで、小樽の街の観光に出発。
マリモッコリ

(マリモッコリの股間の部分が擦れている)
バイクでのんびりと小樽の堺町本通りを流す。
さすがコロナ中ということもあり人はまばら。
お店は営業しているので、えらく閑散としていた。
街を歩く人も、まばらで通る車もまばら.
ここは本当に観光地なのと思う位閑散とした。小樽のメイン通り。
閑散としたものだった。
お土産店舗はほとんどお客の入りもない様子。
普通の平日という感じに曇り空が更にどんよりとした雰囲気を醸し出す。
杉養蜂園のはちみつソフトクリーム

(北海道ならではのソフトクリーム、涼しいけど間違いないので食べてみる)
子供の頃から何があればソフトクリーム。
どの観光地に行っても僕は必ずソフトクリームを食べている。
北海道に行けばすぐにソフトクリームが売られている。
バニラ以外にもいろいろなフレーバーが販売されている。
この時、天気も曇りでアイスを食べるには最適な気候とは言えなかったが、まずは北海道らしさを味わうために、ソフトクリームのはちみつ入りを食べて見ることにしました。
ソフトクリームに蜂蜜なので、おいしい事は間違いなし!
もぐもぐとアイスを食べながら、道路を右へ左へ歩いている人を観察しながら過ごす。
北の漁場の建物
(小樽は倉庫街と言うこともあり、建物も倉庫のような建物が多い)
本来なら観光客で賑わうはずの小樽。
1人観光をするには最適かもしれない。写真撮影するには最適かもしれない。
だけど、観光客がいないのはやはり寂しい。
景気と同様に、街の活気はとても大切だと思った。
活気ある海鮮市場…
という印象を事前に持っていたけれど、実際に目にした建物は、
その時期特有の「静けさ」をまとっていた。
ころなきらいだ
(当時話題になったコロナポスター)
運河の方へ足を伸ばす。
観光客の姿は少なく、店先の旗も揺れていない。
時間が止まったような感覚すらあった。
人気がない小樽の街は本当に倉庫街のようだった。
再び栄通に戻る。
そんな中、ある店の窓に貼られた一枚の紙が、ふと目に入った。
「コロナ嫌いだ」
ただ、それだけの言葉だった。
ネタにしているぐらいまっすぐだった。
お客さんが来ない。収入がない。不安ばかりが増えてい
「コロナ嫌いだ」
なんて素直で、なんて強い言葉なんだろう。
僕もコロナの影響で海外旅行が北海道ツーリングに変更になった。
大なり小なり影響がなかった人はほとんどいないだろう。
僕はその店の前にしばらく立ち尽くしていた。
通りは静かで、人と人が距離を開けて歩いている町並みが寂しかった。
南樽市場

(小樽のローカル市場 なんたるいちば)

(新もあるけど旧なんたるいちばの方が味があります)
125ccのスクーター、アドレスはどこでも小回りが抜群
大げさな装備はいらない。風を感じて、道を選んで、自由気ままに走る。
小樽でふらっと立ち寄ったのが「南樽市場」だった。
観光パンフレットにはあまり大きく載っていないこの市場。
でも、地元の人たちの暮らしの匂いがする場所が、僕は好きだ。
小樽の友人にイチオシされたのもこの場所。
東京の下町、僕が育った地元にもかつてあった商店街、その活気に近いものを感じた。
写真にあるように、年季の入った建物に、どこか懐かしさが漂っている。
中に入ると、小さな店舗が並んでいて、魚屋さんや八百屋さん、乾物店にお惣菜屋さん。
観光地のきらびやかさはないけれど、ここには“生活のリズム”があった。
「どこから来たの?」と聞かれ、「本州から、スクーターで」と答えると、
「ええっ!?小さいのに頑張るねぇ!」と笑われた。
125ccの原付きサイズだとナンバーの色はピンク色であり、免許取得地も居住地となるので”品川”や”練馬”とはならない。バイクで走っていると東京都区内のナンバーなので良く話しかけられる。そこから始まる会話もまた良いのだ!
おわりに
(街の様子はこのように閑散としている)
小樽の中心部をゆっくり走りながら、街をツーリング。
観光地として有名なこのエリアも、2020年のコロナ禍ではいつもと様子が違っていた。
人通りはまばらで、街の音が少し遠くに感じる。
写真に写っているのは「北一硝子」や「北菓楼」などのお土産店。
閑散としているのも助けて、じっくりと中を観光することが出来たのは良かった。
石造りの建物に反射する曇り空。
古いレンガ、歴史のある街並み、
そしてその中に立つ自分。
時間がゆっくり流れるような、そんな不思議な静けさだった。
北海道の抜ける空気が心地よい。
さてそろそろ天気も良くなりそうだ。
小樽を出発しよう。